美術の祭典 東京展 TOKYOTEN
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2014東京展主催トークショー  
第40回美術の祭典東京展主催トークショー

文責:東京展美術協会運営委員長・齋藤鐵心 

 今回は例年のシンポジウムに変えて、トークショーを開催した。討議の内容は「現代美術とは・・」とした。非常に大きなテーマであり、又時代区分を何処で区切るかは、諸説あり中々難しい問題だが、美術史家の本江先生から、「19世紀後半(クールベ、らが出てきた時代)から始まりものをものとして見る意識を制作者が持った時から」をお話し戴き、美術評論家の赤津先生からは、現在開催されている、ヨコハマトリエンナーレの報告、私からは、制作していく立場から話しを進めた。本江先生によれば、世界的な美術評論家のグリーンバーグ氏の見解も重要であるとの話しも出た。赤津先生はヨコハマトリエンナーレのほかに、中国の作家、ツァイ・ゴク・キョウ(花火によるパフォーマンスを多く手がけている)の話しや、リー・ウー・ファン氏、河原温氏の話しも出てきた。私は、ドイツのずいぶん前になるが、「ツァイト・ガイスト(時代精神)展」から話し、キーファーなどの視点の新しさを持つことの重要性を話した。又、上記の作家に関わってくるが、時代性というものを作品に読み取れるかどうかも、現代美術の要因であるとの話しがあり、「人が集まる都会でこそ現代美術が推進されるのではないか?」。左記に関連して、現在日本の地方における地域興し、村興しで作家を取り込み、人を引っ張ろうとしている事は、あまり賛成出来ないとの意見も出た。トークショー後半は、色々な話しで盛り上がりを見せた。例えば、私からは、「ピカソは決して無理をしない。自分の手の届く範囲で、全力を尽くしたこと」など。現代美術に限ったことではないが、芸術はどんな場合でも、上からの目線ではないこと。常に人間として同じ目線に立っていること。人が苦しんだり、悲しんだりしているときは、それを共有できる感性を持って制作する事が大事なのではないか?等。最後に会場からの質問で、重要と思われた質問に、「デッサンをどう考えるか?」があった。「デッサンは初期の段階から始まり最後には、その作家の思想性まで表出されるものなので非常に重用である。」との見解の一致で、幕を閉じた。会場からの感想としては、「前半は大学の講義みたいだった。」「大変勉強になった。」など、様々だったが、概ね好評であった。現代美術と聴くと、「ん〜・・。」と頭抱える人も多いがその作家の思想、視点、時代性、用いるマテリアルなどを丹念に見ていけば、そんなに難しく無い事も、このトークショーを介して理解して戴けたと思う。次回のトークショー、シンポジウムに又ご期待ください。


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